RT88と同じく2026年の東京オートサロンでお披露目されたコンセプトモデル「MAG-R Concept」
加工や取り扱いの難度が高いことで知られるマグネシウムを用いた鍛造 ホイールであり、BBSが長年磨き上げてきた技術力を惜しみなく結集した野心作だ。

 その誕生の背景には、日独のエンジニアたちが持つ知見の融合が存在している。BBSジャパンで開発本部長を担う村上氏は「我々には長年やり続けているマグネシウム鍛造とスピニングの技術があるし、BBSモータースポーツは加工技術や塗装技術をやり込んできた」と語る。両者がそれぞれの領域で深めてきた技術が統合されたことで、これまでレーシングシーンでしか実現してこなかったアプローチが市販品プロトタイプとして見事に結実した。

 特筆すべきは、MAG-R Conceptにおけるスポークの縦横に深く施された穴開け加工である。すでにマンタイ・レーシングのポルシェ用で実績があるノウハウを応用したものであり、複雑で美しい造形を生み出すと同時に、要求される強度と極限の軽量化という相反する要素を高い次元で達成しているのだ。デザイン自体も、マンタイ・レーシングですでに実戦投入されている意匠を基に設計しており、違いはセンターロックからボルト締結へとモディファイされていること。それに伴い、マグネシウム素材のモデルに使われてきたブルーのセンターエンブレムが添えられている。

画像: MAG-R Concept

MAG-R Concept

画像: 過去にマグネシウム鍛造の「RE-Mg」に使われていたブルーのセンターエンブレム。

過去にマグネシウム鍛造の「RE-Mg」に使われていたブルーのセンターエンブレム。

画像: マグネシウム合金を使ったホイールの技術は、F1をはじめとするモータースポーツのフィールドで磨き上げられたものだ。

マグネシウム合金を使ったホイールの技術は、F1をはじめとするモータースポーツのフィールドで磨き上げられたものだ。

画像: スポーク縦横への精緻な穴開け加工はマンタイ・レーシングでの実績を応用しており、複雑な多層形状で強度と軽量化を両立している。

スポーク縦横への精緻な穴開け加工はマンタイ・レーシングでの実績を応用しており、複雑な多層形状で強度と軽量化を両立している。

 また、今回のコンセプトモデル発表には、BBSモータースポーツの新工場が稼働しはじめたことも寄与している。製造キャパシティが向上したことで、技術的には可能でも量産の壁に阻まれていたアイデアが、市販化を見据えたフェーズへと移行したのである。

 会場では、BMW M3の足元に装着され、来場者の熱い視線を一身に集めていた。気になる正式な発売スケジュールは「2026年の早い段階で案内したい」とアナウンスされている。最高峰のレースで磨き抜かれた究極の軽さと強靭さがストリートに送り出される日は、目前に迫っているのである。

2026年3月30日発売の『MOTORIST VOL.8』に、「クラブマンレーサーの熱狂を宿した意欲作、BBSが公道に放つ圧倒的スペック。」という見出しで掲載された記事を再構成したものです。
※掲載内容は発売当時のものです。

写真=中島仁菜 文=MOTORIST編集部

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