BBSファンが集結!55周年を祝う特別イベント
2025年5月。創業55周年を迎えた沼田タイヤが開催したのは、同店の顧客でもあり、BBSファンでもあるユーザーを集めた特別イベント「沼田タイヤ × BBS ファンミーティング」だ。会場となったのは、沼田タイヤが長年にわたり地域のユーザーと信頼関係を築いてきた広島。なかでも、カーイベントに最適な広さを誇る広島広域公園での開催となった。
当日は展示や交流のほか、BBSホイールの性能を体感できる試乗会も行われ、来場者の関心を集めた。

開会前は雨に見舞われたものの、会場には50~60台のクルマが集まった

イベントスタートを告げる、沼田タイヤ代表・蔵本政明さん

沼田タイヤのお客さんのほとんどがBBSユーザー。この日の会場にはBBS装着車両がずらりと並ぶ

ファンミーティングと同時開催された体感試乗会(その様子は3ページ目で紹介)
この公園・広場を使ったカーイベントは今回が初めて。当日はあいにくの雨で始まったが、イベント開始のころには雨も上がり、まるで参加者たちの熱気が雨雲を吹き飛ばしたかのように空は晴れ渡った。
ここからは、そんな熱気に包まれた当日の様子をご紹介していこう。
BBSを履く理由、それぞれのこだわり|来場者インタビュー
当日は多くのBBSファンが愛車とともに会場を訪れていたが、その中からとくに印象的だった3組のオーナーに話を聞いた。
10年越しで完成させた“至高の一台”にBBSを。こだわり抜いたサイドカー

その登場から注目を集めたサイドカー付きバイク。乗るのは新田さんご夫妻だ

バイクはホイールを両側から支える仕組みだが、本車両はハブセンター・ステアリングという片持ち式のスイングアームを採用。BBS RFの側面が美しく映える!

サイドカーにもBBS RF。こだわりの1台である
イベント会場に現れた一台の異彩を放つバイク。BMWの4気筒エンジン「S1000」を積んだこのサイドカー付きバイクのオーナーが、新田哲也さんだ。
「構想から10年以上。実際にショップに持ち込んでからも作るのに丸8年かかりました」
一見しても尋常ではない存在感を放つこの車両は、フレームから完全にワンオフで製作されたもの。サイドカー付きであるだけでなく、ホイール選びにも徹底してこだわった。新田さんは構想段階から「BBSを履きたい」と考え、沼田タイヤの蔵本さんにホイールの相談を持ちかけていたという。

「安価なホイールでとりあえず組んでしまえば早かったのかもしれませんが、それは自分的にどうしても許せなかったんです」と新田さん。結果、メイン車両の前輪とサイドカーのホイールにBBSのRFを採用。ホイールに合わせてキャリパーブラケットを一から設計するなど、BBSありきで全体が設計された。
サイドカーの構造もユニークだ。フロントカウルは上に開き、正面から乗り込むスタイル。この日は雨天仕様で、バイク本体にはカウルが装着されていた。晴天時には取り外すこともできるそうで、天候にあわせた仕様変更が可能だ。「でも、雨が降ると、いろんなところから水が入ってくるんです」と新田さんは笑う。

サイドカーに乗り込む奥様。乗車時は靴を脱ぎ、前面の収納スペースにしまう
この日は、奥様の体力面を考慮して「夫婦ふたりでのラストツーリング」と決めていた特別な日。そんな節目のタイミングに、沼田タイヤのイベントがあると知り、ぜひ顔を出したいと参加を決めたという。インタビューを終えたあと、そのまま思い出づくりのツーリングに出発。目指すは鳥取県だ。

去り際まで注目の的だったサイドカー。手を振りながら、ふたりでゆっくりと走り出す
キャンピングトレーラーにもBBS。DIYで仕上げた“変態仕様”(本人談)

瀬川雄一さんはキャンピングトレーラーをはじめ、計3台の愛車で参戦!

トレーラーの足元はBBS RG-F。荷重を取るために試行錯誤したという
キャンピングトレーラーにBBS──そんな“常識外れ”のカスタムを実現したのが、瀬川雄一さん。「変態ですから」とあっけらかんと笑うが、その仕様は本人の手によってDIYで仕上げられたという。
牽引車でもあるヴァンガードにはRG-R、トレーラーにはRG-F(16インチ)を装着。さらにもう一台持ち込んだ軽のハイゼットには14インチのRX2を履かせている。イベント当日は、合計3台のBBS装着車を会場に持ち込んだ。

愛車3台はこちら。左から軽のハイゼット、ヴァンガード、キャンピングトレーラーだ

ハイゼットにはBBS RX2

ヴァンガードにはRG-Rを装着
元々は他ブランドのホイールを沼田タイヤで購入していたが、クルマを乗り換えるタイミングで中古のBBSを勧められたのが“蔵本さんによる洗脳”の始まりだった。
「キャンピングトレーラーにBBSを履かせる人なんていませんよ」と笑う瀬川さんだが、当然そこに至るまでには工夫が必要だった。元々は14インチのスチールホイールが装着されていたが、タイヤの外径を合わせることで調整を図り、最終的に16インチのBBSを装着。これらの作業はすべて自身で行ったというから驚きだ。

当日は自分の“コレクション”も展示。タイヤ付きというあたりに、思わずニヤリ
ホイールやキャップ類はすべて沼田タイヤで購入。現在もヴィッツやミニクーパーに装着していた歴代BBSホイールが、タイヤ付きのまま自宅の倉庫に保管されている。
「ここに持ってきていないホイールもまだ4セットありますよ」と瀬川さん。ちなみに、自宅の倉庫はまだまだ余裕あり、だそうだ。
子どもの頃に知った憧れの店で、BBSへの思いを深める

BBSホイール歴は数知れず。蔵本社長から「買いすぎ注意!」と親心たっぷりにたしなめられながらも、熱い愛着で突き進む吉村さん!

BBS RSの20インチ。赤のセンターキャップがこだわりだ
会場でひときわ存在感を放っていたプリウスに、BBS RSの20インチを履かせていたのが吉村智陽さんだ。小学生の頃から沼田タイヤの存在を知っていたという。
「20代の頃はクルマがなくて、実際に相談に行ったのは30代になってから。それ以来ずっと、沼田タイヤでBBSを購入しています」
吉村さんにとってのBBSは、憧れの象徴だった。幼い頃、近所にBBS-RSの3ピースを履く車があり、そのオーナーの母親から「これはすごいホイールなんだよ」と教えられたことが、原体験になった。
BBSはLMのチャンピオンエディションから始まり、その後もRSやスーパーRS、スタッドレスタイヤ用にRG-Fなど、数々のモデルを乗り継いできた。現車のプリウスは1インチアップ&車高調入りで乗り心地も良好。赤のセンターキャップにカスタムして楽しんでいる。
「そろそろお金使いすぎじゃないか?」と蔵本さんが止めに入るほどの“BBS愛”だが、いざ試着となれば蔵本さんもテンションが上がってきてしまう。

「いいの入ったよ」──止める社長を横目にそっとささやいた、店長・松井さんと。
店長と一緒に仮履きしながら、最終的には蔵本さんも「どうなるかのー」とノリノリに。沼田タイヤがいかに“クルマ好き”の空間であるかが伝わってくるエピソードだ。
「もし復刻されるなら“プリマドンナ”が欲しいですね」と語る吉村さん。その熱は今もなお、高まり続けている。

「最終的には社長も寝返りましたよ(笑)」と吉村さん。結局、みんなクルマが好きなのだ