現在BBSはBBSジャパン(鍛造ホイールの製造・販売)、BBSモータースポーツ[BBS motorsport GmbH](レーシングホイールの製造・販売)、BBSジャーマニー[BBS automotive GmbH](主に鋳造ホイールの製造・販売)と大きく3つに分かれていて、BBSモータースポーツはBBSジャパンの子会社となっている。ひとつのブランドを共有しつつ、資本では大きく2つに分かれている。これに関してはファンの皆さんならよくご存知と思うが、後日あらためてご紹介する。
BBSホイールとアメリカ
BBSアメリカは BBS automotive GmbH、日本では通称「BBSジャーマニー」とよく呼ばれているが、その子会社となる。販売会社で、基本的にホイールの製造は行っていない。BBSジャパンからみれば、鍛造ホイールを仕入れてアメリカで売ってもらう、いわゆるパートナー・お客様のポジションにあたる。
BBSアメリカの所在地は、アメリカ東南部 ジョージア州アトランタ近郊のブラゼルトンという街にある。
気候は日本の太平洋側とよく似ていて住みやすい地域だ。アトランタはコカ・コーラやUPSの本社などの大企業も多いが、なぜBBSアメリカがそこに居を構えているかといえば、元々はニューヨーク郊外に構えていた事務所を1991年にカーレースの盛んなフロリダに近いエリアへ移転し、アフターマーケットでの販売とレースのサポートを強化したからだという。
日本と比べてレース用ホイールの供給比率が高く、業務の柱の一つとなっている。社屋のすぐ近くにもサーキット・ミニサーキットがあり、アフターマーケット専業のメーカーがよく西海岸を拠点とするのとは、企業としての軸足の置き方がはっきりと異なる。
クレイグはフォーミュラマツダのような入門編のレースから、インディカー、アメリカでトップの人気を誇るナスカーに至るまで、アメリカンモータースポーツに造詣が深い。カー・ガイと呼ばれるタイプの男である。
BBSの何が気に入ってアメリカで商売しているのかを聞いてみたところ「We are racing company.」と非常にシンプルな答えだった。レース用ホイールの販売、そして、アフターマーケット製品にもレース由来の技術の裏付けがあると感じているからこそ、誇りをもってBBSホイールを扱っているということだ。
2人の間にあるホイールは今期からトップカテゴリーにワンメイク供給しているNASCARのホイールだ。NASCARはカーレースにおいてはアメリカの魂ともいえる。
成熟した自動車文化に応えるBBSアメリカ
BBSアメリカではBBSジャーマニーの製品はもちろん、我々BBSジャパンの製造する鍛造ホイールについても数多く販売している。
そのほか、クラブレーサー向けの3ピース(タイプE88など)や、マグネシウム鋳造ディスクを使ったクラシック3ピースホイールもドイツのBBS motorsportから部材単体で輸入し、ここで組み立てている。
(注:日本国内の安全基準には適合しません。日本国内で使用する場合競技専用となります。)
日本に先駆けて自動車文化が成熟しているから、クラシックカーでの需要も安定しているのだ。車種ごとやカテゴリーごとに大抵オーナーズクラブのネットワークがあり、趣味趣向を同じくする人が集まる事で、よりカスタマイズやカーライフを楽しんでいるのである。国土が広大だからこそ、オンラインのコミュニティは進んでいる。
日本でも昨今のオートバイブームをけん引しているのは若い人によるコミュニティだと言われる。アメリカに限らず、オンラインコミニュティが世界の潮流であることは間違いない。
この点はBBSジャパンが運営するTANZO CLUBにも通ずるものを感じるし、お客様の期待に応えられるような取り組みを我々も実施していきたい。
【こぼれ話】
●アメリカには日本のようなタイヤショップはある?
まったく同じでは無いにせよ、タイヤメーカー系のタイヤショップやカー用品店はある。
とにかくどの州でもピックアップトラックが多い。
ショップでも街中でもあちこちで見かけたピックアップトラックがいかにもアメリカらしい。
●アメリカではBBSはどう思われている?
BMWやポルシェを扱っているカーショップではとても評価は高い。
アメリカでは有象無象のホイールブランドが乱立し、現れては消えていく。それだけに、何十年も続いているブランドというものは少ないし、歴史のあるBBSに対しての信頼があるようだ。
また、ナスカーカップシリーズへのワンメイク供給は今後のピックアップトラックユーザーを含めたBBSブランドの認知拡大が期待されている。
●アメリカでも車のイベントってある?
日本と同じように、というよりも、とても盛んに行われている。
11月にマイアミで行われたエキゾチックカーのイベントを画像でご紹介しよう。
こういったユーザー参加型イベントは全米各地で行われていて、アメリカという国のパワーを実感させるものだ。