営業車給油するんだったらタイヤの空気も入れてきて。高めで。
高めと言われても加減がわからないです。そもそもタイヤサイズも変わってるし…
そうだね~、適当に高めって言われても困るよね。それじゃあ、基本的な考え方を説明しよう。
この車の純正タイヤは 175/65R15 84H
84 の部分は荷重指数(LI・ロードインデックス)を表している。ロードインデックスはタイヤの負荷能力を表す重要な指標だ。84H の H は速度記号(スピードレンジ)を表し、この場合は210km/hを指すが、今回の話とは関係が無いので説明は省略する。またいつかの機会に紹介しよう。
下の表はノーマル時の荷重指数を表している。純正タイヤの空気圧は230kPaだから、必要な負荷能力は490kgだ。
一方、うちの営業車はインチアップして 195/50R16 88V に変えてある。仮に同じ幅でタイヤが薄ければ、中に詰まっている空気のボリュームは減るので重さを受け止めるために圧は高めにしてあげないといけないんだ。
ただし、今回はインチアップしているのに、荷重指数は84→88へ増加している。490kgの負荷能力をキープすればよいのであれば、空気圧を下げることが出来るように思える。
ここで今回の難しいポイントが出るんだ。インチアップしたタイヤ自体がXL(エクストラロード)規格であるため、空気圧の設定が異なる。
XL規格のタイヤはスタンダード規格と同じ空気圧だと逆に負荷能力が減る場合もあるので、タイヤメーカーの対応表でしっかり確認しなければいけない。
今回は490kg以上の荷重を受け止めるようにしたいので、ETROTO XL規格(RFD規格)の対応表で確認すると、250kPaとしないといけないことがわかるね。
インチアップ後のタイヤがXL規格というのはよくあるケースなので、対応表が違うという事は覚えておくといいね。
走行直後のようなタイヤが熱くなっていない冷間の状態で250kPaにセットするのが、今回のケースでは基本的な考え方だ。
インチアップしているから適当に高めで~なんて言ってしまいがちだけれど、きちんと表で確認することが必要だね。
自分で判断するのに少しでも不安を感じたら、お店に相談しよう。