大好きなグランツーリスモで世界チャンピオン
クルマ好きの父親の影響で、小さい頃からレース映像やミニカーに触れていた宮園さん。現在23歳の宮園さんがGTをはじめたのは4歳というから、すでにキャリアは19年になる。転機となったのは2018年。GTの世界大会が開催されると知り、他人と競うeスポーツに未経験ながら思い切って参加してみることに。
「GTの世界大会に参加した理由は、どれぐらい通用するのかという腕試しと、上位に入って海外に行ってみたいと思ったからです。それまで他人と競ったことがなかったので不安でしたが、出てみると思いのほか通用したことがeスポーツにのめり込むキッカケとなりました。」
初参戦の2018年はネイションズカップで世界4位となり、一躍トッププレイヤーの仲間入りを果たす。そして2020年には同大会で優勝を果たし、念願の世界チャンピオンとなった。
クルマ好きが高じてタイヤメーカーに就職
大学卒業後はクルマ好きが高じてタイヤメーカーのTOYO TIRE 株式会社に就職。面接時にはGTのことをかなり熱く語ったそうで、同社の販促企画やレース活動などをサポートするグローバルマーケティング部に配属される。
「トーヨータイヤではドイツのニュルブルクリンクサーキットでおこなわれる24時間耐久レースにチームとして参戦しており、ダカールラリーではチームランドクルーザー・トヨタオートボデーをサポートしています。国内ではドリフト競技を中心にサポートしており、D1グランプリでは「Team TOYO TIRES DRIFT」として参戦しています。」
会社からはeスポーツのプロプレイヤーとしての活動も認めてもらい、国内で所属していたEVANGELION e-RACING with 広島マツダをトーヨータイヤがサポートするなど、リアルとヴァーチャルの架け橋にもなっている。さらに2023年からは実車の運転レベル向上を目的に、マツダ・ロードスターのワンメイクレースにドライバーとして参戦。はやくも参加2戦目で予選2位、決勝3位という好成績をあげた。
ヴァーチャルとリアルの違い
「よくゲームと実車の違いを質問されますが、じつはそれほど大きくありません。GTはすごくリアルに作られていて、ゲームを得た技術がアドバンテージとなって実走行に活きていると感じます。ロードスターの速度域であれば怖さもありません。ただ実際のレースでは絶対に事故できないので、その点だけはナーバスになりますね。」
もちろん実生活もクルマ漬けで、愛車はスバル・インプレッサ。このクルマ選びも幼い頃の体験がキッカケだった。
「インプレッサは幼い頃に見ていた世界ラリー選手権のビデオで活躍していた憧れの一台です。購入したのは当時活躍していたモデルではないのですが、デザインがとても気に入っています。ただプライベートの時間が取れず、あまり乗れていないのですが、最近になってホイールを交換してさらに愛着が湧きました。」
選んだのはSUPER GTのスバルと同じBBS RI-A
インプレッサの足元に選んだのはBBS RI-Aのダイヤモンドブラック。サイズはノーマルの17インチから18インチにアップしており、タイヤは自身が勤めるトーヨータイヤの最新モデル「PROXES Sport 2」を装着した。
BBS RI-Aは国内最高峰のレース「SUPER GT」に投入されているレーシングホイールをベースに、レースと同じ設計思想のもと作られるスポーツモデル。宮園さん自身、SUPER GTで活躍するスバルチームの大ファンであることも、このホイールを選んだ大きな理由の一つであるという。
「実はGTにはホイール交換の機能があり、バーチャルでもインプレッサにRI-Aを履かせて楽しんでいました。その後、YouTubeでこのホイールの動画を見て、もうコレしかない! って。カラーは悩んだ末にブルーのボディに馴染むダイヤモンドブラックを選びました。タイヤと同時にホイール交換をしたので、残念ながらホイール性能の評価などはできませんが、とにかく気に入っています。交換した日は駐車場でしばらく眺めていました(笑)。」
現在は会社員としての仕事とeスポーツのプロプレイヤー、さらに実車のレース活動と忙しい日々を過ごす宮園さんだが「全部やりたいことなので大変ですが幸せです。ものすごく良い環境で活動させていただいていると感謝しています」とのこと。ゆくゆくは現実世界でもドライバーとして認められるのが目標と語り、バーチャルとリアルの世界を目まぐるしく往復している。