こよなくクルマを愛するオーナーに、愛車へのこだわりを聞くシリーズ。第14回は、埼玉県さいたま市と静岡県熱海市で2拠点生活を送る植田阿津也さん(66歳)。19歳で手に入れたハコスカから現在のレクサスESまで、そのカーライフをたどりながら、約20年にわたるBBSとの付き合いを聞いた。

さいたまと熱海、2つの拠点をレクサスで行き来

真鶴道路から海沿いの国道135号線を走り、湯河原を抜けた先にある熱海市。ここに植田さんの第2の拠点がある。

平日はさいたま市で調理師として働き、週末になると愛車のレクサスESで奥様と熱海へ。昨年から、そんな2拠点生活を送っている。

「熱海で特に何をするということもないんですが、海を見ながらゆっくり過ごすのがいいんです」

毎週末、さいたまと熱海を往復すれば、移動時間は5〜6時間。この日もレクサスESで熱海までやってきた。ときには奥様のプリウスαで移動することもあるという。

そんな植田さんのカーライフは、今から半世紀近く前に始まった。

ハコスカ、セリカ、そして2台のランクル80

最初の愛車は、19歳のときに中古で購入したスカイライン。いわゆる“ハコスカ”だ。

「今買おうと思っても買えませんが、当時はまだ旧車ブームでもなく、7、8年落ちならアルバイトしながら買える値段でした。格好よかったですね。今見ても格好いいと思います」

若いころの愛車を懐かしむ植田さん

当時は埼玉の実家を離れ、大阪の調理師学校に通っていた。2年間乗ったハコスカだったが、卒業後に埼玉へ戻ることになり、泣く泣く手放すことに。

「実家にもクルマがあって2台置けないので、スカイラインは諦めました」

実家は飲食店を営んでおり、調理師学校を卒業した植田さんもそこで働き始めた。この頃、休みの日に乗っていたのが、父親のセリカ リフトバックだ。

「セリカ リフトバックも格好よかったんですよ。今ではもう走っていませんが、好きなクルマでした」

その後、調理師として大手商社のグループ会社へ転職。この頃に乗っていたのがランドクルーザー80だ。結婚後、さいたま市に家を購入したタイミングで浜松へ単身赴任することになったが、ランドクルーザーはさいたまに置いていくことになる。

「でも、浜松でたまたま安いランクルを見つけて……」

赴任先での足として、まさかの2台目を購入。

「今でこそ全塗装で色替えしているクルマもたくさん走っていますが、当時は珍しくて。もともと青だったボディカラーを緑に全塗装したランドクルーザーが安く売っていたんです」

2年間の単身赴任を終えてさいたまへ戻ると、2台のランドクルーザーはいずれも手放すことになった。排ガス規制が強化され、ディーゼル車を維持することが難しくなったためだ。その後はクラウンのワゴンへ。

そして約20年前、植田さんはBBS遍歴につながる一台と出会う。

どうしても欲しかったセルシオが、BBSとの出会いに

2005年、愛知トヨタとTOM'S(トムス)のコラボレーションによって誕生したセルシオV-430R。限定30台、新車価格1,000万円以上という特別なモデルだ。

植田さんはどうしてもこのクルマが欲しかった。しかし、新車で購入するには愛知県での登録が条件。埼玉県在住では手が出せない。

そこで目をつけたのが中古車だ。中古車になれば、埼玉でも購入できる。発売から1年ほど経った頃、名古屋の中古車販売店で一台を見つけ、現車を確認するため自ら名古屋へ。実際にクルマを確かめたうえで、念願のV-430Rを購入した。

そして、このセルシオが履いていたのがBBS RG-Rだった。

「これがBBSとの最初の出会いでした。ただ、このホイールが18インチだったので、もっと大きいものが欲しくて、20インチのLMプレミアムエディションに履き替えました」

それまでBBSのことは知らなかったという植田さん。セルシオに装着されていたRG-Rについてディーラーと話していると、こんな言葉をかけられた。

「『高いけど、いいホイールですよ』と。そこから意識するようになったんです」

その後、20インチのLMを購入し、まずは「高い」を実感することになる。そして実際に走ってみると、今度は「いい」の意味もわかった。

「よくBBSは軽いって言いますけど、他のホイールとは違うということがわかりました」

LMを履いて走り、「BBSはいいホイール」という言葉を身をもって実感したという

セルシオには8年間乗った。スーパーチャージャーによる力強い出足に加え、マフラーやエアロなどトムスのパーツが満載。街を走るほかのセルシオとは違うところも気に入っていた。

しかし、8年間乗るなかでメンテナンスが必要な箇所も増え、手放すことに。

次に選んだのはレクサスLSで、足元にはBBS RI-D。修復歴なしの中古車として購入したものの、後にショップで修理跡が見つかり、1年で手放した。

その次はクラウンアスリート。ここで選んだのがBBS RZ-Dだ。

そして4年前、現在の愛車であるレクサスESにたどり着く。

6ヵ月待ったRI-S。でも、やっぱりRZ-Dだった

現在のレクサスESとの出会いは、さいたま市にレクサスの店舗がオープンしたことがきっかけだ。

「フルオプションの試乗車が売りに出されていたんです。決して安くはなかったのですが、これだけ装備が付いてこの値段なら……と」

ESを手に入れた植田さんがまず考えたのは、クラウンアスリートで履いていた20インチのRZ-Dを引き継ぐことだった。気に入っていたホイールだったため、納車前にディーラーへ持ち込み、履き替えを相談したという。

「とても気に入っていましたからね。ただ、フェンダーからはみ出す可能性があるということで、そのときは取り付けを見送ったんです」

そこでRZ-Dは自宅に保管し、新たにRI-Sを注文。こちらなら問題なく装着できるという。ところが、新型コロナウイルスの影響もあり、納期は6ヵ月。その間は純正ホイールで走ることになった。

待ち時間は長かったが、悪いことばかりでもない。純正ホイールで長く走ったからこそ、改めてBBSとの違いを感じることができたからだ。

「レクサスにはスポーツモードがあって、このモードに入れるとハンドルが重くなるんです。でもBBSだと重くならない。ホイールの違いを実感しましたね」

そして6ヵ月後、待望のRI-Sを装着する。

6ヵ月待ってRI-Sを履いたレクサスES

ところが、実際に履かせてみると何かが違う。

「フェンダーに対してタイヤが中に入ってしまい、見た目が決まらないんです」

そこで植田さんの頭に浮かんだのが、自宅に保管していたRZ-Dだ。引っ張り出して装着してみると、驚いたことにジャストフィット。心配されていたはみ出しもなく、フェンダーにきれいに収まった。

「レクサスが来たときに試しに履いてみればよかった。RI-Sの代金と6ヵ月は何だったんだろうと……」

遠回りはしたものの、気に入っていたRZ-Dはこうして再び植田さんの足元に戻ってきた。

気づけば、妻と息子のクルマにもBBS

レクサスESに乗り始めて4年。今のところ、クルマそのものにはまったく不満はないという。

「アクセルを踏んだときの加速感とか、ハンドルの取り回しとか。スポーティーな走りができるのに燃費もいい。だから、さいたまから熱海までのドライブが楽しいんです」

毎週末の長距離移動も、植田さんにとっては単なる移動時間ではないようだ。

そして今、BBSを履いているのは植田さんだけではない。奥様のプリウスα、息子さんのカローラスポーツにもLMが装着され、気づけば家族のクルマにBBSが並ぶようになった。

セルシオV-430Rで履いていたLMプレミアムエディションは、奥様のプリウスαへ

息子さんのカローラスポーツもLMを装着。エアロやマフラーなどトムスパーツも多数採用

そんな植田さんだが、お気に入りのRZ-Dにひとつだけ難点があるという。

「洗うのが大変なことですね。スポークの表面を洗ったあと、手が裏側まで入るので、ホイールの内側まで洗っています(笑)。BBSのラインナップを見ていると、洗いやすそうでいいなと思うホイールもあるんですが、自分のクルマには合わないんですよ」

次のクルマについては、今のところ考えていない。それだけ現在のレクサスESを気に入っているということだろう。

ただし、ひとつだけ決まっていることも。

「買い換えたとしても、ホイールはBBSです」

19歳で手に入れたハコスカから始まり、さまざまなクルマを乗り継いできた植田さん。セルシオとの偶然の出会いをきっかけに知ったBBSは、約20年を経た今、植田さんのカーライフに欠かせない存在になっている。

【私のBBS遍歴】BBSと過ごす、さまざまなカーライフ。