こよなくクルマを愛するオーナーに、愛車へのこだわりについて聞くシリーズ。第11回は、東京都八王子市の河野章雄さん(58歳)。今でも3ヵ月に1度は富士スピードウェイの走行会で走りを楽しむという河野さんに、これまでのクルマ遍歴やBBSホイールへのこだわりについて話を伺った。

20台以上を乗り継いでも、クルマへの熱は変わらない

「18歳で免許を取ってトヨタ・カローラクーペに乗り、2年後にトヨタ・レビンAE86を新車で購入し、3ヵ月ほどでレビンAE92に乗り換え、2年後には同じレビンAE92の後期型、その後ソアラGZ20、チェイサー ツアラーV……」

河野さんに“クルマ歴”を聞いてみると、現在乗っているレクサス IS500 Fスポーツまで、聞き取りが追いつかないくらい次々と車種が並べられた。ここではすべて書き切れないが、家族が使っていたクルマを合わせると、20台近くを保有してきたことになる。

20台以上のクルマを乗り継いできた河野さんの現在の愛車、レクサスIS500 Fスポーツ

河野さんのクルマ遍歴を続けよう。
ソアラに6年ほど乗った後、チェイサー90 ツアラーVに2年乗り、30歳の頃にアリスト161に乗り換えた。さらに1年後にアルテッツァTTEを追加で購入し、2台持ちになる。

「このアルテッツァは、トヨタのF1プロモーションのためにTTEブランドで出したコンセプトカーを買い取ったものです」と河野さん。

その後、アルテッツァを売ってヴェルファイアを購入。これは3.11のとき、工場が止まりクルマが作れない中、ディーラーで3台だけ割り当てられたうちの1台で、運よく購入できた。

5年後、ヴェルファイアと20年近く所有したアリストを売却。
「アリストは買い取ってもらいましたが、カスタムをし過ぎてクルマとしては売れず、パーツで売りに出されていました」と河野さんは笑う。

下の写真はクルマ歴のほんの一部

レビン AE92

ソアラ GZ20

チェイサーツアラーV JZX90

アリスト JZS161

速さを求め続けるクルマ選び

そして、ついに入手したのがポルシェ・マカン。

「いつかはポルシェに乗りたいと思っていました。納車後はサーキットに行くのが何より楽しみで」と河野さんはうれしそうに語る。

長年憧れていたポルシェ マカンを手に入れた河野さん

マカンには7年乗った。その間に娘さんのGRヤリス、奥さんが主に乗るヴィッツGRスポーツ、アウディRS3が納車されている。それからマカンを売ってレクサスに乗り換え。娘さんが家を出てヴィッツを手放したため、現在はアウディとレクサスの2台持ちになっている。

河野さんに、どういう基準でクルマを選ぶのかと聞くと、「速さです」と即答。速いクルマが好きなのだという。

エンジンも2.0Lツインターボ、2.5Lツインターボ、3.0Lとステップアップしていき、サーキットでスピードを満喫してきた。なかでもポルシェ・マカンは「とくに速かった」と振り返る。

今も富士スピードウェイの走行会に、3ヵ月に1回ほどのペースで参加している。

トヨタF1プロモーションという、クルマ好き冥利に尽きる仕事

気になるのはクルマにかかる費用だが、そこはメーカー勤務などの経験もあり、売り時・買い時を心得ている。3ヵ月で手放したレビンAE86のように、希少車種で購入価格より下取り価格が高くなったクルマもあった。

奥さんもクルマ好きで、クルマに関しては一定の理解がある。その影響か娘さんも自然とクルマ好きに育ち、18歳で免許を取った翌日には富士スピードウェイを走っていたという。

現在、夫婦で八王子市に住む河野さんは横浜生まれ、横浜育ち。市内にマンションを持っているが、八王子には娘さんの通学に合わせて家族で移り住んだ。その娘さんは就職し、今は横浜に住んでいる。

河野さんは専門学校を出たあとトヨタ自動車に就職。その後、大手家電メーカー、ゲーム制作会社と転職し、2002年に商社へ入社。この頃からトヨタヨーロッパ(TMG)のプロモーションに関わり、毎年ドイツへ訪れるようになる。滞在中はアウトバーンを走ることも楽しみのひとつだったという。ニュルブルクリンクにも何度か訪れたが、走行する機会に恵まれず、周辺を走りながら現地の空気を味わっていた。

「レーシングゲームの開発に携わっているときに知り合った人から誘われて参加しました。クルマ好き冥利に尽きる仕事でしたね」

除幕式への参加やオートサロンなどのイベント業務にも関わった。その後、2009年のトヨタF1撤退にともない同社を退社し、家電メーカーに復職。2年前に早期退職している。

高速域でも揺るがない、BBSが生む圧倒的な安心感

「BBSのホイールは免許を取って自分のクルマを持ってから、ずっと憧れでしたが、手が届かない高級品でした」と話す河野さん。BBSユーザーになったのは25歳、ソアラに乗っていたときだ。

さまざまな仕事を通して、長年クルマや機械に関わってきた河野さん

そのときに履いたのが発売したばかりのLM。驚いたのはその軽さだった。「何よりハンドルが楽」と河野さんが言えば、奥さんも「今までと全然違った」と口をそろえた。当時、BBSにしては手頃な価格帯だったこともあり、念願かなって購入できたという。以来、ずっとBBSユーザーだ。

アリストでは最初にRS-GT、その後REに履き替えた。RS-GTからの履き替えだったこともあり、REはややしっかりとしたフィーリングで、強度が高くバランスが良いと感じたという。

「20年近く乗ったアリストはチューニングを重ね、最後はほぼサーキット専用だったのですが、REは安定感がすごかった。富士スピードウェイのストレートで280km/hを出しても、クルマがしっかりと安定していて安心感があるくらい」と河野さんは言う。

ポルシェ・マカン以降、現在のレクサスに至るまで、RI-Dを3セット履き続けている。

「RI-Dは、軽さと強度を兼ね備えた最強のホイールだと思っています」

今では夏タイヤ、冬タイヤともにBBSを選び続けている。

ハンドルを握る姿からも、走りへの真剣さが伝わってくる

「いつかはもう一度ポルシェに」── BBSとともに続くクルマライフ

河野さんと奥さんが次に狙っているクルマはアウディRS5。日本で発売されたら今の2台を売ってでも買うつもりだという。

「本当はポルシェが欲しいのですけどね……。高価になり過ぎて、もう手が出ません。4年前に買っておけばよかった……」と河野さんは苦笑い。

今のアウディもパワーとレスポンスが良く気に入っている。国産車ではなかなか味わえない走りで、乗っていて気持ちがいいという。

「ただ……」と河野さんは続ける。「マカンに乗っていた頃からの付き合いで、ポルシェのサーキット走行会にも参加するんですが、やはりかなり遅れてしまいますね」

今、河野さんは横浜に戻ることを見据え、近くの整備工場で働いている。八王子では通勤にも買い物にもクルマは必須で、温泉旅行やスキーにも月1回ほどのペースで出かけるという。レクサスとアウディとともに、今もクルマライフを満喫している。

“次の一台”への夢は、今も尽きない

「でも、いつかはもう一度、BBSを履いたポルシェに乗りたいですね」

河野さんの夢はまだ続いている。

【私のBBS遍歴】クルマとともに刻まれていく、それぞれのBBSの記憶。