ホンダ車専用のアフターパーツを手がける「無限」と、鍛造ホイールの「BBS」がタッグを組み、シビック TYPE R専用のホイールを完成させた。その名も『FR10』。ここでは、両者がどういった思いでこのホイールを手掛けたのか掘り下げていこう。

無限とは?
「無限 MUGEN」は、ホンダ車の性能を引き出すアフターパーツメーカー。レーシングエンジンやチューニングパーツの設計から実走まで自社で行い、その技術とデータは同社の製品開発に活用。ホンダのレース活動を支える重要なパートナーでもあり、ホンダと共に「挑戦」のスピリットを共有するメーカーとして、多くのホンダユーザーに愛されている。

均一な剛性がもたらすモノ

無限のyoutubeチャンネルには、「無限パーツテスト ♯2 ホイール編」としてBBSと共同開発したホイールについての動画が公開されている。

この動画内でテストドライバーの野尻選手は、「(FR10だと)ずっと安定して同じタイムで走れる」と話しているのだが、この理由はどこにあるのだろうか?

「それは均一に剛性を持たせたことで、タイヤ全面を綺麗に使い切れるからです。タイヤへの負荷を分散してくれるので、同様のタイムで何周も走り続けられるわけですね」

剛性に対しては、各メーカーそれぞれ独自のアプローチや考え方がある。BBS×無限が導き出した答えもそのひとつだ。

多様な視点で速さを追求でき、どの答えも受け入れるシビック TYPE R。その懐の広さ、クルマのポンテシャルに改めて感心させられる。

すべてのTYPE R ユーザーへ贈るドライビングプレジャー

インタビューの最後は両者から、完成した『FR10』についてメッセージをいただいた。

まずは無限の中出さんから。
「順次発売を開始しているGroup A、そしていま開発中のGroup B、その両方に共通するカスタムパーツがこの『FR10』です。ホイールだけを交換しても、クルマの性能向上は見込めるものになったと自負しております」

「また、性能面はもちろんですが、クルマ全体のフォルムも考えてパーツを揃えたのがGroup AとGroup Bです。まずはホイールから試していただき、他パーツはお好みに合わせてチョイスしてみてください。すべてのパーツを装着すれば、より多くの違いを感じていただけるはずです」

一方BBSの且田さんは、
「BBSの通常ラインナップにあるものは、基本的に幅広い車種に対応できるものとして作っています。しかし、今回の『FR10』はシビック TYPE Rに対して何がベストなのか? を考えて作り上げたホイールです。数値的な性能だけでなく、TYPE Rのステアリングを握って走ったときのフィーリングも考慮しています。TYPE Rユーザーには必ずや喜んでいただける仕上がりになったと思います」

発売を2024年8月下旬に控えた『FR10』。インタビュー時点(5月初旬)で、すでに多くの注文が入っているという。

ホンダが作り上げた一つの到達点・シビック TYPE Rに、新たな視点でのカスタムを提案した無限。そしてそのスピリットに共感し共に歩んだBBS。

シビック TYPE Rを操るすべてのドライバーに贈る、BBS × 無限なりのドライビングプレジャー。『FR10』が気になる方は、ぜひチェックしてみてほしい。

この日は埼玉県朝霞市にあるM-TEC本社のショールームにお邪魔した