こよなくクルマを愛するオーナーに愛車とそのこだわりについて聞くシリーズの第2回。幼稚園児の頃からクルマ好きで今まで10台以上乗り換えてきたという、埼玉県入間市で建設業を営む新垣勝士さん(49歳)にお話を伺った。

BBSホイールでまわりの注目を集める快感

「本当はイベント用にドレスアップしたクラウンマジェスタで来たかったんですが、塗装が間に合わなくて……」

愛車のレクサス・LS500で現れた新垣さんは、少し悔しそうに笑った。このレクサスは普段乗り用でほとんどカスタムをしていないが、ホイールだけはBBSに。しかもジュラルミン製で超軽量のRI-Dに替えていた。

「私のポリシーとして、いくつか選択肢があるときは、一番高いものを選ぶことにしています。単純ですが、高いものは良いものという考えなんです」

新垣さんがクルマに興味を持ち始めたのは幼稚園児のころ。両親がクルマ好きだった影響もあり、バイクなどには目もくれずクルマを愛してきた。しかもスポーツカーではなく、惹かれたのはひたすら「4ドア・セダン」だ。18歳で免許を取って最初に買った車も日産・セドリックY32だった。

その後の愛車遍歴を思い出せる範囲であげてもらうと──。
フェアレディZ32(いきなり例外!)、マークⅡ、セドリックY31 ブロアムVIP(リムジン!)、プレジデント、ベンツW220、エルグランド、アルファード(「子どもの関係で……」)、クラウンマジェスタ(180系)、BMW、そして現在はレクサスとイベント用のマジェスタ(210系)を所有。

家族用、従業員用を合わせたら、購入歴はゆうに10台を超えている。

新垣さんは親が経営する建築会社から24歳の若さで独立。以来、クルマ好きに拍車がかかった

12年前に乗っていたアルファードから、ホイールはすべてBBSだ。現在は従業員が乗っているプリウス、奥様が乗るステップワゴンも、すべてBBSホイールに替えている。新垣さんにとってのBBSホイールのお気に入りポイントは、なんと言っても周りの視線を釘付けにするところ。

「並走するドライバーがこちらを見て『おっ!』という顔をすると、わかってるねぇと、うれしくなります(笑)」

なかには親指を立ててあいさつしてくるドライバーもいるという。そんな愛好家との一体感を味わえるのも、BBSブランドならではと言えるだろう。

OLIVE代表との運命の「出会い」と「再会」

10年ほど前から、新垣さんは東京オートサロンなどのドレスアップカーイベントにカスタムチームの一員として出展している。チームの拠点は東京都武蔵村山市にあるカスタムショップ「OLIVE」。代表の和田佳久さんがチームの代表者でもある。

チームOLIVEのパーカーを着た新垣さんと和田代表(左)

ふたりの出会いは今から20年以上前、新垣さんが中古で買ったプレジデントに乗っていた頃からだ。新垣さんがカーショップにクルマを持って行ったところ、ひとりのスタッフが話しかけてきた。

「そのクルマどうしたの? それオレがドレスアップしたクルマだね」

ドレスアップが気に入って買ったクルマなだけに、偶然の出会いに耳を疑った。その後、新垣さんは和田さんが働くショップに通ったが、和田さんはいつの間にかショップを辞めていた。

「ちょうどその頃に独立してOLIVEを開業したんです。新垣さんは直接の担当ではなかったので詳細を話せてなかったんです」と和田さん。

新垣さんが気に入ったカスタムは和田さんにつながった

それから月日がたち、新垣さんの愛車はアルファードに。4ドア・セダンのこだわりは持ちつつも家庭の事情でミニバンに乗り換えたのだが、アルファード購入の決め手もやはりカスタムが気に入ったから。購入時に前オーナーとカスタムトークをしていたところ、ドレスアップを担当したお店を紹介してくれた。それがOLIVEだった。

およそ7年ぶりの再会。
「プレジデントもアルファードも、知らずに和田さんの手にかかった車を選んでいたんです。まさに運命の巡り合わせですね」

和田さんとの出会いは「運命の巡り合わせ」と話す新垣さん