10月にBBSが満を持してリリースした「RT-X」。東京オートサロン2022での初お披露目以降、1年半もの開発を経てようやく市場投入を果たしたニューモデルを紹介しよう。

BBSジャパンとして約20年ぶりの6Hホイール

今回の「RT-X」はクロカンやSUVへ向けた新デザイン提案の第一弾として、まずは200系ハイエース用としてリリースしたホイールだ。

実はBBSは過去に鍛造6Hホイールをリリースしたことがある。約20年前に登場した「RS-Ⅳ」だ。当時は50系エルグランドが6H車であり、100系ハイエース用にも設定し、盛り上がったセンターカバーの付くデザインだった。

今回リリースした「RT-X」はセンターカバーのないオープンタイプ。スポークの足を長く見せるために、リムボルト横までスポークを伸ばすデザインも検討したが、あえて基本に忠実な設計を採用。
スタンダードなディスクデザインとリムフランジの形状でクラシカルな雰囲気を纏わせた意匠とした。
また、P.C.D 139.7との見た目のバランスをとるためにセンターエンブレムはφ80を採用。通常のラインナップに使われるφ70よりも一回り大きいものを使用している。

実用性も抜かりなし!「RT-X」の実力

当然ながら実用面でも「RT-X」はBBSブランドを背負うに相応しい実力を兼ね備えている。
これはあくまで、社内スタッフによる走行時のインプレッションだが、インチアップによるメリットであるコーナリング時の安定感に加え、ブレーキング時のホイール自体の剛性感が増している。タイヤ含めた条件を完全に同一とした正式なテストではないものの、1年前のオートサロンに展示したプロトタイプでの走行に比べ製品版では剛性感が明らかに向上している。

また、雨の高速走行時の安定性向上もメリットと言える。これは当然タイヤの恩恵によるところが大きいが、純正の15インチから17インチタイヤとなったことで雨天走行時のストレスが軽減された。
昨今、高速道路の速度制限が120キロになっている場所もあるため、雨の日でも高速安定性が高いのは嬉しい。これは助手席によく乗車する弊社スタッフの感想だが、安定感が増したことにより走行中の不安が減ったとの事。同乗者にも安心感を持って乗っていただけるだろう。

ルックスと実用性を兼ね備えた「RT-X」

一般論として、インチアップについてはルックスが良くなるものの、そのほかの面では我慢を強いられることも少なくない。今回の200系ハイエース×RT-Xについては単なるルックス面だけではなく、走りの面でメリットを実感できたのはうれしい結果だった。

メリットばかりを取り上げずあえてデメリットを挙げるとするならば、ゆっくりと発進した際にはわずかに転がりだしの重さ、抵抗感は感じられる。
スポーツカーにRI-DやRFといった軽量モデルを装着した際のような転がりだしの軽さを感じることは無く、軽快感を求めた場合にはデメリットと言えるが、その分先述の通りしっかりした安定感を生む設計となっている。

125,400円/本(税込)は、たしかに安くはない。だが、鍛造マルチピースのルックスとしての満足感、実際に走行してのメリットを考慮すれば、決して高くはないのではないだろうか。もちろん他の製品同様にホイール本体の保証は5年間となり、安心して長く使っていただけることになるだろう。

※記載価格は希望小売価格