スーパーGT・GT300クラスで王座奪還を目指すSUBARU BRZ R&D SPORTは、2023年2月21日(火)・富士スピードウェイにて参戦車両となるBRZ GT300のシェイクダウンを行った。新たなシーズンを戦う車両には、新たなBBSホイールの姿が──。今回はその模様をお届けしよう。

2023シーズンを駆け抜けるべくテスト走行を行うSUBARU・BRZ

「一歩一歩着実に」小澤総監督スペシャルインタビュー

最後はチームを率いる総監督・小澤正弘 氏に話を聞いた。

Q.2023年シーズンの課題はありますか?

「課題として挙げるとすれば、新しいECUのセットアップをしっかりやっていくということですね。これまでのECUは10年以上使い続けてきたもので熟成されていました。それが新しくなったことで演算も早くなり、正確性も上がって良いのですが、やはりまだ細かいところが詰めきれていない。このシーズンオフの時期にしっかりと詰めたいと思っています。
※エンジンの制御を行う電子制御ユニット

ただ、実はこれまでの活動で“課題”を立てて対応していこう、ということはあまり無くて。ここをよくしたらレベルアップできるよな、というように全体的に見て底上げしてきた形です。いま現在見えてきた点でいうと、タイヤを替えてタイヤ表面の使い方も変わったということ。どう発熱させるか、どう力をかけていくか、というところにいまは注力しています」

Q.2023年仕様のマシンの手応えとは?

「昨年と比べると確実にレベルアップしていますね。昨年に出したタイムやレースラップを超えていける準備は出来ています。シーズン中にこうしたいああしたいと検討してきたことに、このシーズンオフ時に手が入れられている。しっかりとマシンをアップデートできるかなと思います」

Q.新型タイヤ&新型ホイールの感想はいかがでしょうか?

「今回BBSさんに新しいホイールを提案いただきまして、とても嬉しかったことを覚えています。実はチームでマシン作りを議論していた中で、ひとつ提案したいことが出てきまして。それが剛性のアップでした。マシンのスピードも速くなっていくにつれ、タイヤの剛性も大きく変わってきています。当然ホイールの剛性も……と考えていたときに、BBSさんから同じ内容の提案があったんです。これには我々が思うマシンの方向性を理解してくれているんだ、と感動しました。実際にテストで使ってみたらこれがとても良い」

「BBSさんの新型ホイールを投入すると、まるでタイヤの構造を変えたかのような感覚でグッと剛性があがるんですね。タイヤ表面の熱の入り方も変わります。そこに上手く合わせて、さらにシャシーやサスペンションのセットアップでより高い入力をかけられるようにしていけば、一発も出るしロングでも強いという、とても良い形に持っていけるはずです」

Q.今シーズンの意気込みを教えてください。

「一緒になって戦ってくれるスポンサーの皆様、そしてチームを支えてくれるファンの皆様の期待に応えるべく、昨年あともう少しというところで獲り逃したチャンピオン、これはしっかりと獲っていきたいと思っています。ただ、そこで気負いすぎてしまうとロクなことがない(笑)。今まで我々は岡山のレースを獲ったことがないんですね。なのでまずは岡山の表彰台に乗って、そこから一歩一歩着実に進んで行けたらと思います」

チーム一丸となってチャンピオン奪還を目指す!

2022年は史上初の2連覇達成を目指し戦ったスバル/STI。惜しくもその夢は叶わなかったが、その経験がまたチームを強くしたことは間違いない。

2023シーズンのスーパーGTは、4月15日〜4月16日の岡山国際サーキットで幕を開ける。スバル/STIが今年はどんなレースを見せてくれるのか、今から楽しみである。

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